ロバート・オッペンハイマー博士は第二次世界大戦中、原爆開発の中心になった人ですが、彼は原子爆弾が広島と長崎に与えた惨状を知り、大きなショックを受けました。そしてトルーマン大統領に向かってこう言ったそうです。

 「大統領、私の両手は血にまみれています」

 トルーマン大統領はきれいに折り畳まれた白いハンカチをポケットから取り出し、言いました。「これで拭きたまえ」

 自然についていえば、我々は春になると桜を、夏には蛍を、秋には紅葉を愛でます。それも習慣的に、集団的に、いうなればそうすることが自明のことであるかのように、それらを熱心に観賞します。桜の名所、蛍の名所、紅葉の名所は、その季節になれば人々で混み合い、ホテルの予約をとるのもむずかしくなります。
 どうしてでしょう?

 桜も蛍も紅葉も、ほんの僅かな時間のうちにその美しさを失ってしまうからです。私たちはそのいっときの栄光を目撃するために、遠くまで足を運びます。そして、それらがただ美しいばかりでなく、目の前で儚く散り、小さなひかりを失い、鮮やかな色を奪われていくのを確認し、そのことでむしろほっとするのです。
 そのような精神性に、自然災害が影響を及ぼしたかどうか、僕にはわかりません。しかし私たちが次々に押し寄せる自然災害を、ある意味では仕方ないものとして受けとめ、その被害を集団的に克服していくことで生きのびてきたことは確かなところです。あるいはその体験は、私たちの美意識にも影響を及ぼしたかもしれません。

キューブリックは各国版の公開に関して、原題(英語表記)もしくは原題の直訳以外は認めないとの制約をつけた。『ストレンジラヴ博士』では興行的なダメージが大きいと考えた配給会社は「直訳」という制約を逆手にとり、『博士の異常な愛情』という邦題を捻り出した。以下「~または私は如何にして~」と続く長文邦題となったのもこの制約によるものである。従ってミスによる誤訳では無く、意図的なものであった。
人の命は、2万分の1でも8万分の1でもない。そうじゃなくて、そこには「1人が死んだ事件が2万件あった」ってことなんだよ。
空腹の者に顔の一部を与えることで悪者と戦う力が落ちると分かっていても、目の前の人を見捨てることはしない。かつそれでありながら、たとえどんな敵が相手でも戦いも放棄しない。これらの点について「ほんとうの正義というものは、けっしてかっこうのいいものではないし、そしてそのためにかならず自分も深く傷つくものです」(第1作『あんぱんまん』のあとがきより)と、自身が絵本のあとがきで語っている。

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エデン
近藤 史恵
新潮社 ( 2010-03 )
ISBN: 9784103052524

09. February 2011

「ぼくはひとりでここまできたんじゃないんだ。今まで何人の日本人自転車選手が、ツールに出たいと夢見たことだろう。その夢をいて走っただれかに触発されて、またその夢を見る選手がいる。そうやって、夢は受け継がれて、ぼくのところにやってきた。たまたまぼくのところで、花開いただけだ。そして、ぼくの後にも夢は続く。今度はきっとツールでステージ優勝を果たしたいと夢見る選手が出てくる。総合十位かもしれないな。どちらにせよ、きっとぼくには難しい。それは後のだれかに託すよ。でも、それでも今の日本人選手にとって、ぼくはひとつの希望だ。すぐに追い抜かれるだろうけどね」

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Twitter / @相沢

03. January 2011

「芸人とプロレスラーはマイナスを一気にひっくり返してプラスにできる」という言葉を具現化する今夜のナイナイANN。でもそれは特別な能力じゃなくて人間なら誰でもできることなんだと信じさせてくれる。人間にとって絶望とは、希望への前フリでしかない。
「(インドとかに行って)人生観変わったとか言うヤツは、日本でたいした人生送ってないんですよ」(有吉/アナザースカイ)

私は、そんな子供たちにとって、常に愚かな存在でありたい。私は、たとえ相手が途方も無く強い正義であろうと、何度となく挑み、その度に負け、相手を変え挑み、また破れ、それでもまだ志を持っていたい。私は、豪華な装飾が擦り切れた、ボロボロの皿になりたいのです。たった一人でもいい。私を見てくれた子供が、『ザギってダサいよな。弱いよな。』と思ってくれたら、私は本望です。

何故なら、悪にいいことなんか、一つもないからです。希望ある子供たちを、悪にはしたくない。私の姿を見て、私のような真似をすると、正義によって裁かれることを知ってもらいたい。

常にそんな象徴であり続けるよう努力する。

それが、小さな悪なりに築き上げてきた、つまらない悪の作法です。

ロックというのが、単に音楽の演奏形態を指す言葉なら、いずれ無くなるだろう。 しかしロックが「リアルな自分であるための哲学」だとしたら、 それは、いつでも世界のど真ん中にある。
by 山川健一